log.31

インターネット死体蹴り

年代記

雪融けの流水に洗いぬかれた骨の体を木陰にさらした

白く漂白され 木管楽器の空洞を抱えて

別離の季節は爪弾かれてゆく

やがて骨は月日の重みに耐えかねて

おのずと生じた割れ目や陥没を

無数の怠惰な苔が繁茂した

すなごけ

ぎんごけ

骨という骨を

ビリジアンの海嘯がおし広めた

骨はみずからを次世代へ繋ぐ苗床と定義しなおし

逓信病院の廊下のようなリノリウムの草原を

葉緑素で体いっぱいに満たして

決して土に混じわることなくこの文明の果てまで

見届けようとした

炭素を含んだ一個の骨のままで