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インターネット死体蹴り

海への帰郷

修学旅行のふつかめ

宿泊先の民宿の裏口からサンダルをつっかけて

歩くでもなく歩きだした

夜の砂州をあてどなく歩くにつれ

僕のつま先はすべらかな白砂にじぶじぶと沈んだ

粒状の砂は僕の足をやわらかく包んで、荒波の沖合いへ連れ戻そうとする

僕はそこから来たのだ

磯のフジツボが澱んだ海水を吸い澄んだ海水を吐く

人造物のような月明かりを吸って

黒ぐろとした夜の海が巨きな寒天として襲い

僕の体を冷やして固めにかかる 

僕は砂中の鋭利なもので足の裏の皮ふを切るのではないか

このまま遠浅の海を歩いて行くとおかに戻れなくなるのではないかと

きしきしした重金属質の不安に苛まれながら

だが心のどこかで郷愁が芽生えだし

彼らの呼び声に従い、僕らの生まれた場所へ帰ろうかと考えはじめる

深み者たちの棲む海の底へと