log.31

インターネット死体蹴り

地を這う生活者

僕はまだ土地に根ざした活動をやりとげて

いないと感じる。僕の体は僕の住む土地に親水しない

根腐れを起こし、僕の体は腐敗した藻類として流れる水への抵抗を持たない

今はかろうじて持ちこたえているが、大水が出れば砂礫と土砂に埋もれ

澱んだ水底でにおいもなく分解されてゆく運命だ

それでもいつの日か、僕はひたいに汗して肥沃なくろ土をたがやし

僕の植えた苗は群青を突く稲穂となって

重たく豊かに実るだろう

こがね色の稲田で働くのは、じつに僕の妻や娘たちだ

まっしろなワンピース姿の娘たちが手のひらを太陽で満たして騒ぐ

妻が僕の傍らで秋物のセーターを編む

僕は木陰に腰をおろし、冷酒を口にふくんで

ゆすぐようにして喉で心地よく味わう

それこそ家庭の味なのだ

そんな手すさびの空想を逞しうして、夜ごと枕もとで寝苦しくするうち

僕は根拠の不十分な絶望にかられて

堪らなく苦しく叫びたくなるのだ